絵本づくりプロジェクトが終わりました

約2年に渡り、「本居宣長」の絵本の作成に携わってきました。

きっかけはフィリピンから来た2人の女性から“松阪市に恩返しがしたい”という純粋な想いを聞いたことからでした。
彼女たちが持つ技能をいかんなく発揮できる「絵本/Picture Book」を「松阪」とつなぐことで、その想いは遂げられるのではないかと想い、彼女たちからも「宣長さん」の言葉が出てきていたので即決で宣長さんの絵本をつくることになりました。

 

しかし、課題は2つ。「資金」と「言語」でした。
資金については、松阪市が毎年、募集をしている「地域元気応援事業」の制度を活用し、10分の9(最大10万円)を補助してもらえました。書類作成とプレゼンを行い、無事に採択されて「資金」の調達に成功。足りない部分については、自己資金でカバーしました。

もうひとつの課題「言語」は私と彼女たちの友人にも手伝ってもらい、英語を日本語に訳したり、内容について宣長記念館の学芸員さんと調整したり、この作業がかなり時間をとられました。足りない点や間違っている点については、修正意見の通りに絵や文章を修正し、修正したもののチェックも必要となったため、その繰り返しで想定以上の時間がかかりました。

コロナ以前より始まったプロジェクトでしたが、コロナ禍になり、人に会うこともままならなかったため余計に時間がかかりましたし、同時に焦りも出てきていました。補助金をもらったがために、当該年度中に完成させなければいけないという時間的制約も生まれ、最後の方は、毎日絵本づくりをしていたように記憶しています。

完成した絵本が届いた時は、作者であるミラとチェドは大変、喜んでいました。私としても喜ばしい瞬間でした。
コロナ禍でなければ、マニラの小学校への寄贈も現地へ出向き、直接、絵本を手渡したかったのにできなかったのが心残りです。
マニラでは地域によって読む本が少ない地域もあるようでして、ちょっとした絵本でも日本では考えられないくらい貴重なものに変わるようです。そんな話も聞いていたので、絵本‥ましてや、内容が松阪に関係する偉人で、教育的にも意義のある話をマニラの子どもたちに伝えることで、いつか彼ら彼女らが松阪に来てもらえたらいいな、という個人的な想いもありました。

 

完成した絵本を松阪市教育委員会に寄贈したので、各小・中学校の図書館や市内の図書館でお読みいただけます。
また、先日、マニラから絵本が届いた喜びのお便りが届きました。また違う日には津市の図書館からも寄贈してもらいたい申し出があり、寄贈してきました。
関わっていただけた方々やご協力いただいた企業・団体のみなさまに深く感謝申し上げます。
有難うございました。